WixからWordPressへ移行を検討するとき、最初に知っておくべきことがあります。Wixは意図的に「他のプラットフォームへの移行」を難しく設計してきました。サイト全体の一括エクスポート機能はなく、エクスポートできるのはブログ記事のRSSのみ。とはいえ朗報もあります。2026年現在、WixからWordPressへの移行ルートは確立されており、実用的な数日〜2週間で完了できるレベルになっています。
このガイドでは、Wixが実際にエクスポートできるもの、3つの現実的な移行パス(手動再構築、インポータープラグイン、AI自動変換)、ステップごとの作業手順、そして検索順位を守るためのSEOリダイレクト設定までをすべて解説します。
対象読者: SEO・コスト・デザインの自由度・Wixの制約からの脱却を目的に、WixサイトをWordPressへ移行したい事業会社・マーケター・制作会社の方。
この記事の要点
- Wixがネイティブにエクスポートできるのはブログ記事(RSS)のみ。固定ページ、デザイン、フォーム、メディアは手動またはツールで移行する必要があります。
- 現実的な移行パスは3つ:手動再構築、インポータープラグイン(FG Wix to WordPress、CMS2CMS)、AI自動変換(デザインをピクセルパーフェクトに再現)。
- WixのURL構造は独特(
/post/page-name)。リダイレクトを省略すると、被リンクとインデックス済みURLを一夜で失います。 - WordPressの総保有コストは、12〜18ヶ月でWix Premiumを下回るのが標準的。スケールするサイトでは差はさらに広がります。
- AI変換サービスはWixサイトのURLを読み込んで、エクスポート不要でWordPressテーマを再構築できます。
- 10〜30ページの一般的なWixサイトであれば、キックオフから公開まで2週間が目安。
1. WixからWordPressに移行する理由
そもそも移行すべきかを判断中の方は、まず WordPress vs Wix:2026年に乗り換えるべき10の理由 をご覧ください。判断材料を整理した記事です。本ガイドは「移行する」と決めた方に、その「やり方」を解説するものです。
WixからWordPressへ移行する理由は、ほぼ決まったパターンに収束します。
- SEOの天井。 WixのSEO機能は改善されましたが、robots.txt、構造化データ、内部リンク設計、テクニカルSEOの細部まで制御できる範囲はWordPress + Yoast / Rank Mathの方が圧倒的に広い。
- 表示速度。 WixサイトはチューニングしたWordPressホスティングと比べて平均的に遅く、Core Web Vitalsと検索順位に直接影響します。
- 総保有コスト。 Wixプレミアムプランは月額$17〜$159(約2,500〜23,000円)。マネージドWordPressホスティングは月額$15〜$45(約2,200〜6,700円)で、コンテンツ量制限の心配もなし。
- デザイン・機能の自由度。 WordPressには7万以上の無料プラグイン。WixのApp Marketは規模が小さく、有用なアプリの多くが月額課金です。
- ベンダーロックイン。 Wixサイトは他のプラットフォームへ「そのまま」持ち出せません。WordPressサイトは午後半日でホスト間を移動できます。
引き換えに受け入れるトレードオフ:WordPressは保守が継続的に発生します(プラグイン更新、バックアップ、セキュリティ)。マネージドホストを使えば大半は自動化されます。
2. Wixがエクスポートできるもの・できないもの
ほとんどの「Wix WordPress 移行」記事が省略するパートです。何を持ち出せて何を持ち出せないか、最初にはっきりさせておきます。
Wixがネイティブにエクスポートできる:
- ブログ記事(Wixブログアプリを使っている場合の
/blog-feed.xmlRSSフィード):タイトル、本文、執筆者、日付。
Wixがエクスポートできない:
- 固定ページ(トップ、会社概要、サービス、お問い合わせ — どれも)
- サイトデザイン(CSS、レイアウト、フォント、余白、アニメーション)
- 画像(手動ダウンロードまたは第三者ツール経由)
- フォーム(Wix Formsの構造とデータ)
- Wixストア商品(限定的なエクスポートのみ)
- 予約、メンバー、Veloで書いたカスタムコード
- ページごとのSEO設定
つまりWixからWordPressへの移行は、**「再構築+コンテンツ取り込み」**であり、純粋なエクスポート→インポートではありません。次のセクションの3パスは、その「再構築」をどう扱うかの違いです。
3. WixからWordPressへ移行する3つの方法
3-1. 手動再構築+RSSブログ取り込み
WordPressで固定ページを手動で再構築し、ブログ記事のみRSSで取り込む方法。
- やり方: Wixデザインに近いWordPressテーマを選定。各ページをWordPressエディターまたはページビルダー(Elementor、Bricks、GeneratePress)で再構築。ブログ記事はWordPress標準のRSSインポーターで取り込み。
- 向いているケース: デザインの忠実な再現が必須でない、もしくは元々リデザイン予定だったサイト。
- コスト: 自分の時間+月額3,000〜7,500円のホスティング。プレミアムテーマを買うなら追加で1万円前後。
- 納期: 1〜4週間(ページ数とデザイン再現度の希望次第)。
3-2. インポータープラグイン(FG Wix to WordPress、CMS2CMS)
専用プラグインで一部のインポートを自動化する方法。
- FG Wix to WordPress — 無料WordPressプラグイン。記事、画像、一部メディアをWixからインポート。
- CMS2CMS — 有料SaaS。Wixからより広範囲なコンテンツ取り込みに対応。
- 得られるもの: テキストコンテンツの大部分が自動でWordPressに入る。
- 得られないもの: Wixのデザイン。マッチするWordPressテーマは別途必要。
- コスト: インポーター7,500〜38,000円+WordPressテーマ。
- 納期: 数日。ただしデザインは自分で組む。
3-3. AIによる自動変換(WixのURLを読み込み)
WP Pro Converter のような専用サービスは、稼働中のWixサイトURLを読み込み、デザインを再現したWordPressテーマを生成、インストーラープラグインを納品します。コンテンツも一緒に移行します。
- 向いているケース: Wixのデザインが気に入っていて、忠実に維持したいサイト。納期重視のサイト。
- コスト: フリーランス/制作会社の数分の一(最新料金はトップページを参照)。20ページ超はページ数による見積もり。
- 納期: 数時間〜数日。
- 得られるもの: Wixサイトの見た目を再現したWordPressテーマ、編集可能領域、開発者の検証パス込み。
選択早見表:
| パス | コスト | 納期 | 適したケース |
|---|---|---|---|
| 手動再構築 | 自分の時間 | 1〜4週間 | シンプルなサイト、リデザイン予定 |
| インポータープラグイン | 7,500〜38,000円 | 数日〜1週間 | コンテンツ重視、デザインはテーマで |
| AI変換 | トップページ参照 | 数時間〜数日 | Wixデザインを忠実に維持したい |
4. ステップ・バイ・ステップ:WixからWordPressへの移行
4-1. Wixサイトの棚卸し
何より先に、
- Wixサイトの全ページURLを記録
- ブログ記事数、固定ページ数、商品数、メンバー数を集計
- 全フォーム、外部埋め込み、連携、Veloカスタマイズを一覧化
- 全ページのスクリーンショットを取得(デザイン参照用)
- WixブログRSSフィードをエクスポート
- ドメインの状態を確認(Wixサブドメインか、独自ドメインか)
4-2. WordPressをセットアップする
マネージドWordPressホスティング(Xserver、ConoHa WING、エックスサーバー、Mixhost、Kinsta、WP Engine)を契約してWordPressをインストール。本番ドメインを切り替える前に、仮URLまたはステージングサブドメインで動作させます。
4-3. 移行パスを選ぶ
セクション3の表を基準に決定。最大の判断軸は「現在のデザインを残したいか」です。
4-4. デザインを再構築または導入
- 手動: WordPressテーマを選定。スクリーンショットを参照しながらエディター/ページビルダーで各ページを再構築。
- インポータープラグイン: 選んだWordPressテーマをインストール後、FG Wix to WordPress または CMS2CMS でコンテンツ取り込み。
- AI変換: WixサイトURLをWP Pro Converterに送信、変換結果を確認、生成プラグインをWordPressにインストール。
4-5. ブログ記事を移行する
WordPress標準のRSSインポーター:
- 「ツール」→「インポート」→「RSS」→ Wix RSSエクスポートをアップロード
- 記事の本文・タイトル・日付が取り込まれます。執筆者情報やアイキャッチ画像は手動修正が必要なことがあります。
4-6. 画像・メディアを移行する
Wixはメディア一括エクスポートを提供していません。選択肢:
- Wixエディターから画像を1点ずつダウンロード
- Wixメディアダウンローダー系のツールを使う(無料のものが複数あり)
- AI変換サービスは稼働中URLから自動で画像を取得
WordPressメディアライブラリへ再アップロード。
4-7. フォームを再作成する
無料のWordPressフォームプラグインを利用:Contact Form 7、WPForms Lite、Fluent Forms。各Wixフォームを手作業で作り直します。
4-8. SEOプラグインをセットアップ
Yoast SEO、Rank Math、SEO SIMPLE PACK のいずれかを導入。ページごとに既存Wixのタイトルタグ・メタディスクリプションをWordPressに転記。
4-9. SEOリダイレクト(セクション6参照)
最重要ステップ。
4-10. テストして公開
DNSを切り替える前に、
- 全ページがPC・モバイルで正しく表示されるか確認
- 全フォーム、全リンク、全CTAをクリックして検証
- SSLが有効か確認
- DBバックアップを取得
その後、ドメインを新WordPressサイトに切り替え。新しいサイトマップをGoogle Search Consoleに送信。
5. WixデザインをWordPressで再現する
気に入ってWixで作り上げたサイトの場合、移行で最も難しいのはWordPressで「同じ見た目」を再現することです。
忠実度順に3つのアプローチ:
- 似たWordPressテーマを購入。 一番近いものを選び、色・フォント・余白を手動調整。現実的な再現度70〜80%。
- ページビルダーでの再構築。 Elementor、Bricks、Diviでスクリーンショットを参照しながら作成。時間集約的。手間をかけて85〜95%。
- AIによる自動変換。 サービスがWix URLを読み込み、デザインに合致したカスタムWordPressテーマを生成。再現度95〜99%、開発者レビュー済み。
ブランドの中核がデザインにあるサイトの場合、3番目以外はどうしても妥協か大きな予算のどちらかを伴います。
6. SEO:WixのURLからのリダイレクト設定
WixはWordPressのデフォルトとは異なるURLパターンを使います:
- Wixブログ記事:
/post/your-post-name - Wixページ:
/your-page-name - Wix商品ページ:
/product-page/product-name
WordPressに移行すると:
- WordPressブログ記事のデフォルト:
/your-post-name/ - WordPressページのデフォルト:
/your-page-name/
すべての旧URLに対し、新URLへの301リダイレクトが必要です。最も簡単な方法:
- リダイレクトプラグインをインストール(Redirectionが無料・メンテナンス継続中)
- 旧Wix URLを新WordPress URLにマッピング
curl -Iまたはリダイレクトチェッカーツールで301ステータスを確認
30ページのサイトなら、30〜50本のリダイレクトが目安(ブログ記事が多ければさらに)。このステップを飛ばすことが、移行後の順位崩壊の最大の原因です。
その他のSEO必須項目:
- 新しいXMLサイトマップをGoogle Search Consoleに送信
- 新ドメインをSearch Consoleで認証(またはURLプレフィックスを更新)
robots.txtでクロール許可を確認- 公開後30日間は404を毎日チェック
SEO移行のより詳細な対応は、ウェブサイトをWordPressに変換する完全ガイド を参照してください。
7. WixとWordPressのコスト比較
一般的な小規模事業者サイトでの24ヶ月総保有コスト:
| 項目 | Wix Premium(ビジネスプラン) | WordPress(マネージドホスティング) |
|---|---|---|
| プラットフォーム/ホスティング | 約5,800円/月 × 24 = 約13万9,000円 | 約3,750円/月 × 24 = 約9万円 |
| ドメイン | 込み | 約2,500円/年 × 2 = 5,000円 |
| SSL | 込み | マネージドホスト込み |
| メール | Wixアドオン約900円/ユーザー/月 | Google Workspace約900円/ユーザー/月 |
| 有用なアプリ/プラグイン | プレミアムアプリ月3,000〜15,000円 | 大半のプラグインが無料、月平均0〜4,500円 |
| 24ヶ月合計 | 約21万〜42万円 | 約10万〜21万円 |
差は2年目以降に複利で広がります。WordPressはサイト規模が大きくなっても上位プランへの強制的な移行はありません。
8. 始めるための具体的な3ステップ
- セクション4-1の棚卸しを実行。 全URL、全ページ、全フォーム。どの移行パスでも必要な成果物。
- デザインを残すかどうか決める。 これがセクション3のパス選択を左右します。
- 移行パスを選ぶ。 デザインを忠実に残したいなら、WP Pro Converterを試す。WixのURLを送信するだけで、変換後のWordPress版を確認できます。
9. WP Pro Converterについて
WP Pro Converterは、ウェブサイトを完全に機能するWordPressテーマに変換するAI搭載サービスです。元のデザインをピクセルパーフェクトに保持します。日本・大阪を拠点とするクリエイティブスタジオUtsuboによって構築されました。最新のプラン・料金はトップページを参照してください。
10. WixからWordPressへ移行を始めましょう
Wixのエクスポート制限と戦う必要はもうありません。WordPress版を編集可能なコンテンツ込みで、数日で納品します。
メール: contact@utsubo.co
WixからWordPressへの移行チェックリスト
- Wixサイトの全URLを記録
- ブログ記事、固定ページ、商品の数を集計
- 全フォームと連携を文書化
- 全ページのスクリーンショットを取得(デザイン参照用)
- WixブログRSSフィードをエクスポート
- マネージドWordPressホスティングを契約
- ステージングURLでWordPressをインストール
- 移行パスを決定(手動/インポーター/AI)
- デザインを再構築または導入
- RSSでブログ記事を取り込み
- 画像をWordPressメディアライブラリへ移行
- 全フォームを再作成
- Yoast SEO / Rank Math / SEO SIMPLE PACK を導入
- タイトルタグとメタディスクリプションをページごとに引き継ぎ
- 全Wix URLに対して301リダイレクトを設定
- 新しいXMLサイトマップを生成
- 実機モバイルでテスト
- DBバックアップを取得
- DNSを新WordPressサイトに切り替え
- サイトマップをGoogle Search Consoleに送信
- 公開後30日間はSearch Consoleを毎日監視
よくあるご質問
WixサイトをWordPressに移行してもコンテンツは失われませんか?
ブログ記事はWixのRSSエクスポート経由で移行できます。固定ページのコンテンツ、画像、フォームは手動またはツールでの移行が必要です(Wixはフルエクスポートを提供していません)。WP Pro Converterなどのサービスは稼働中Wix URLを読み込み、コンテンツとデザインの両方をWordPressテーマとして再構築できます。
WixからWordPressへの移行にはどれくらいかかりますか?
パスにより数時間〜数週間。AI変換は数時間〜数日、インポータープラグインは数日〜1週間、手動再構築(20ページサイト)は通常1〜4週間。SEO設定とリダイレクトには、どのパスでも追加で1〜2週間を見込みます。
WixからWordPressに移行するとSEOが落ちますか?
リダイレクトを省略した場合のみ落ちます。すべてのWix URLから新WordPress URLへの301リダイレクトを設定し、既存のタイトルタグとメタディスクリプションを引き継ぎ、新しいサイトマップを送信。正しく行えば、ほとんどのサイトは30〜60日以内に順位を回復または改善します。
WixのデザインをWordPressで再現できますか?
可能ですが、相応の手間がかかります。ページビルダーでの手動再構築で85〜95%、AIによる自動変換で95〜99%(カスタムテーマとして)の再現度。Wixはデザインファイルを公開していないため、単純な「エクスポート→インポート」では実現できません。
WixからWordPressへの移行コストはいくらですか?
DIYは自分の時間+ホスティング月3,000〜7,500円。インポータープラグインは7,500〜38,000円の単発費用が追加。AI変換サービスはフリーランス/制作会社の数分の一(最新料金はトップページを参照)。フリーランスへのカスタム再構築依頼は15万〜50万円。
SEOではWordPressがWixより優れていますか?
WordPressはSEOの制御範囲が広く、robots.txtフルアクセス、詳細なスキーマ、内部リンク設計、プラグインエコシステム(Yoast、Rank Math)の深さ、適切なホスティング下でのページ速度、いずれも優位。WixのSEO機能は改善されたものの、依然として天井があります。コンテンツ重視・競合キーワード狙いのサイトでは通常WordPressが有利です。
Wixで取得したドメインはWordPressに移せますか?
可能です。Wixで購入したドメインは、お名前.com、ムームードメイン、Cloudflare、Namecheapなどのレジストラへ移管できます。あるいはネームサーバー/DNSレコードの設定をWordPressホスト側に向けるだけでも切り替えられます。ドメインそのものは可搬です。